医療機器登録制度概要(ロシア国内法編)

制度の概要

  ロシア市場に向けて出荷される医療機器は、その安全性と有効性を確認するために、国家登録手続きを経なければなりません。(2011年11月21日付連邦法No.323-FZ「ロシア連邦における国民保健の基礎について」(以下、連邦法No.323-FZ)第38条第4項)

 登録が義務とされている医療機器とは、どういうものをいうのでしょうか。連邦法No.323-FZの第38条第1項で、次のように定義づけられています。

  「個別に又は他と結合して、並びに用途に沿った適用をするために不可欠な他の付属品とともに医療目的で適用されるあらゆる用具、器具、機器、設備、材料及びその他製品で、ソフトウェアを含み、生産者(製造者)によって、病気の予防、診断、治療及びリハビリテーション、 人体器官の状態のモニタリング、医学的調査の実施、解剖学的構造又組織の生理機能の回復、取替、変更、妊娠の予防又は中断 のためであると指定され ており、その機能的用途が、人体器官に薬理学、免疫学、遺伝的、代謝物質的作用を起こすことによって実現されないもの」

 製品が上記の定義に該当する場合、医療機器登録の対象となり、2012年12月27日付ロシア連邦政府命令No.1416(以下、命令No.1416)によって承認された「医療機器の国家登録規則」に従って医療機器の国家登録が行われることになります。

 医療機器登録の管轄省庁は、ロシア保健監督庁(Roszdravnadzor, RZN)( https://roszdravnadzor.gov.ru/)で、法令においては「登録機関」と呼ばれています。

 命令No.1416に従った登録が完了した医療機器は、公式サイト上のデータベースに「登録済み医療機器」として公開され、紙媒体の「登録証明書」が発行されます。

 

 医療機器の登録証明の有効期限は無期限とされていますので更新の必要はありません。しかし、仕様変更など状況に応じて変更手続きをとる必要があります。

EAEU(ユーラシア経済連合)共通規則への移行

 2021年6月現在有効の法令では、2022年1月1日からEAEU(ユーラシア経済連合)共通規則での医療機器登録に完全移行する予定であり、ロシア国内法に従って医療機器の登録をすることができるのは2021年内となっています。また、現行法ではすでにロシア国内法に従って発行された登録証明は2022年1月1日から無効となってしまいますが、現時点でEAEUの共通規則で登録が完了した医療機器は5点のみであり、通常1年かかる登録手続きを残り半年ですでにロシア国内で登録された数千の医療機器に対して行うことは現実的に不可能であり、法改正は不可避となっています。

 しかしながら、どのようにEAEUの共通規則への移行を促していくかという問題に対する協議がまとまらず、現時点で採択された改定案はありません。現時点で採択可能性の高い改定案は次の2つです。

2021年3月9日ユーラシア経済委員会協議会命令No.28「•2014年12月23日付「ユーラシア経済連合内での医療製品(医療目的の製品及び医療機器)流通の統一原則及び規則に関する合意」、第11条「移行期間」への改定案」

2021年3月22日付 ロシア保健省命令 法案

これら二つの法案が採択された場合、

  1. 2021年12月31日まではロシア国内法に従って申請をすることができる。(登録が完了していなくてもよい)
  2. ロシア国内において既に登録された医療機器は、ロシア国内で流通するのみであれば、EAEUの新規則に従って登録をし直す必要がない。
  3. 2026年12月31日までは、ロシア国内法によって登録された医療機器に対して変更申請が可能。
  4. ロシア国内法による医療機器登録申請は、2023年1月1日から2026年12月31日までは電子申請で受付

という対応になるとみられています。

まだ審議される段階の法案ですので確定ではありませんし、今後法文の解釈の統一(当局による公式見解の発表)などがされていく明らかにされていくものと思われます。

【2021年9月追記】

残念ながら、ロシア保健省命令法案は承認されず、廃案となりました。ロシア国内法に基づいた2022年以降の新規登録の可能性はこれで完全に断たれたことになります。

 

 

 

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