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ロシアに向けて出荷される計測機器で、2008年6月26日付連邦法No.102-FZ「測定値の統一性確保について」の規定により国家規制対象に該当するものは、規定の手順でその型式を承認する手続きを経なければなりません。その結果を証明するのが計測機器型式認可証(Pattern Approval Certificate of Measuring Instruments, PAC)です。同様の規制がEAEU加盟国家、CIS国家においてありますが、すべて国内法で規制されています。すでに加盟国のいずれかの市場でPACを取得し流通しているものについては相互承認手続きによって取得に要する書類を流用することができるかもしれませんので、その場合はご相談ください。
申請にかかる期間は概ね6ヶ月です。
ステップ1:技術文書の準備、試験方法の特定
ここで測定範囲や機器の精度を確認するために適用される規格が特定されます。
ステップ2:ロシアの試験ラボでの試験/工場での試験
認定機関が試験方法を特定します。ロシアの試験ラボで試験をする場合、サンプルが3点必要となります。生産工場で試験をすることも可能ですが、その場合認定機関から2名の試験官が工場監査をし、現地の試験ラボでテストを行います。
ステップ3:試験結果のまとめと校正・キャリブレーション方法の作成
校正方法及びキャリブレーション方法は、製造者と合意する必要があります。この段階で試験レポートの作成や技術文書の修正などを行います。
ステップ4:専門家承認を得るためにVNIIMSに申請
VNIIMSとは、計測機器の型式承認に関する監督機関の1つです。試験レポートや技術文書の具備などをチェックし、ロシアで有効な規格がすべて考慮されているかを確認します。
ステップ5:PAC発行を当局ROSSTANDART(規格・技術規制・度量衡庁)に申請
すべての書類の承認をVNIIMSから得た後40営業日以内にPACの取得が可能です。PACを取得した計測機器はROSSTANDARTのデータベースに登録されます。
PACを取得した計測機器は使用(設置)までの間に第一次校正手続きを経る必要があります。校正手続きはロシア国内のラボで行うことになりますが、PAC取得時に特定した校正方法によっては、メーカーの工場でロシア出荷前に実施することができる場合もあります。第一次校正手続きには下記の情報が必要です。
・PAC原本と校正方法
・計測機器の諸元
・HSコード
・校正すべき機器の数
詳細はお問い合わせください。
PACの有効期限は5年なので、5年ごとに更新手続きをとる必要があります。
下記に該当する場合、工場監査や再試験を経ることなく、更新できる可能性があります。
ーPACの有効期限が経過していない。
ー大きな仕様変更がない。
ー校正方法に変更がない。
ーユーザーから品質に関するクレームがない。
当局での更新手続きに40営業日かかるので、書類作成の手間等を考えると最低でもPAC有効期限満了の3ヶ月前までにお問い合わせいただく必要があります。
また、更新手続きには証明書原本が必要です。
ロシア以外のCIS国家でもメトロロジー認証制度があります。ロシアですでに流通しており、PACを取得している場合は、取得に要する書類の流用をすることで費用や取得日数を削減することができます。詳細はご相談ください。