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TR EAEU 037/2016改定予定

2021年10月25日、ユーラシア経済連合公式サイトに、TR EAEU 037/2016 電気機器及び無線電子機器での危険物質の適用制限についての改定案が掲載された。

改定案のパブリックコメント手続きは、2021年11月19日から2022年1月21日にかけて行われる予定になっている。

改定の目的は、測定機器、化学電流源に関する適用範囲の拡大に関して規則の個別規定を明確化、具体化すること、例外を明記した全体的な適用範囲の明確化、具体化、および一般的にオープンなアプリケーションの範囲を拡大するという観点から、規制の特定の規定を明確にし、具体化である。

規則の改定版において、電気機器及び無線電子機器に含まれる規制対象有害物質の名称とその含有制限が更新されており、有害物質の対象項目は、6から10になった。

また、摩耗や経年劣化によって消費者特性を喪失した製品の廃棄に関する要求事項が、欧州指令012/19/EU (WEEE-2)に基づいて新しく導入されたことも重要である。

TR EAEU 037/2016の適用範囲の明確化

改定案においては、規則の適用範囲の例外がより詳細に記載されてる(第1章第3項)。例えば、電気機器及び無線電子機器に組み込まれる太陽光パネルなどがそうで、公用、商用、産業用及び家庭用のエネルギー消費のために、太陽光からエネルギー生産をするべく特定場所で恒常的に使用するために専門家によって設計され、組立及び設置されたシステムにおいて使用されるための太陽電池パネルは適用対象外であると明確化されている。

重要! 規則の効力は、付属書No.2(同質(均質)物質中の許容濃度を超えて、電気機器及び無線電子機器に含有されることが禁止されている危険物質の一覧)と付属書No.3(電気機器及び無線電子機器内に含まれる危険物質の適用制限に関する特別要求事項 )の要求事項に関して、中古の電気機器及び無線電子機器には適用されないという明確化が追加される予定である。

同様に、改定案によって、規則の効力が及ばない製品の一覧に次のような追加項目が規定されている。

  •  大型の据置産業用設備
  •  大型の据置型組付装置
  •  本技術規則の付属書No.1に規定された一覧に含まれる電気機器及び無線電子機器の予備部品及び/又は構成部品。採取製品が本技術規則の要求事項に適合していることを証明する文書がある場合に限る。

注釈: * 上記新項目についての定義づけも併せて行われており、付属書No.6において例示されている。

改定案では、付属書No.1に記載されているTR EAEU 037/2016の適用対象製品リストの改定も予定されており、例えば、項目1において「家庭用」に限定されていた電気機器類から「家庭用」の文字が削除されており、新しく導入された項目13において、 その他電気機器及び無線電子機器や、構成部位や構成部品も対象となることになった。

同質(均質)物質中の許容濃度を超えて、電気機器及び無線電子機器に含有されることが禁止されている危険物質の一覧の拡大

規則の付属書No.2の一覧に、新しく次のような4つの規制物質が追加された。

  1. フタル酸ジエチルヘキシル
  2. フタル酸ブチルベンジル
  3. フタル酸ジブチル
  4. フタル酸ジイソブチル

上記4つの指標において、許容値は、0.1重量パーセントである。

また、電気機器及び無線電子機器中の危険物質の適用制限に関する特殊要求事項の一覧(付属書No.3)の個別項目にも改定が加えらえている。例えば、亜鉛メッキ鋼を含む鋼中の鉛の含有量は0.35%以下として認められている項目も、改定案が施行された日から3年が経過したら、規則の第7項に要求事項(つまり0,1%以下)の従って出荷しなければならなくなる。

電気機器及び無線電子機器の廃棄に関する要求事項の追加

TR EAEU 037/2016の改定案において新しく導入された用語のほとんどが、電気機器及び無線電子機器の廃棄に関するもので、次のような用語が新規導入された。≪電気機器及び無線電子機器の廃棄物(WPER)≫≪廃棄物個別回収シンボル≫≪利用可能な最良の技術(VAT)≫(WPERの回収、保管、輸送、処理、廃棄、中和、処分に関するもの)≪WPER処理≫≪拡大生産者責任(EPR)≫,≪WPERの取り扱い≫、≪WPERの取り扱い分野に関する国家管理機関≫など。

改定案によって導入される廃棄物個別回収シンボルは、製品本体又はパッケージに貼り付けられ、添付の取扱説明書にも記載される。シンボルのイメージは、規則の付属書No.5として記載されている。

廃棄物個別回収シンボル

シンボルの最低サイズは高さ7mm(a=3,33mm)である。

電気機器及び無線電子機器の取扱説明書には、次のような義務的記載事項が追加された。

  • 自身の消費者特性を喪失したPERを分別されていない一般家庭廃棄物と一緒に廃棄せずに他の廃棄物との個別回収を行うことの要求事項
  • 電気機器及び無線電子機器に含まれる人の健康と自然環境状態に危険物質が起こし得る有害作用についての情報
  • ≪Сдайте на переработку, если не используете. Это предотвратит ущерб окружающей среды(使用しない場合、リサイクルに出してください。環境汚染を防止できます)≫という情報

電気機器及び無線電子機器の廃棄過程に対する要求事項について、個別の付属書No.4が導入された。

製品の廃棄過程に対する規定の要求事項遵守については、国家監督の際に実現される。

TR EAEU 037/2016の改定版施行日

TR EAEU 037/2016の改定版は、採択についてのユーラシア経済委員会理事会決議が公示された日から180日を経過した日に施行される。

情報ソース:弊所パートナー企業<NOVOTEST>サイトより

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